いけちゃんの悪戯

日々のことをツラツラと綴るブログ

孤独と孤独感について/村上春樹『トニー滝谷』

つい先日、突然村上春樹の小説が読みたくなって、その日の内に書店で購入した『レキシントンの幽霊』がとても面白かったです。特に本書に収録されている7つの短編の1つである『トニー滝谷』が印象に残っているので、今回はそのレビューです。 レキシントン…

【続】本当の「歴史」の話をしよう。/ C・ ギンズブルグ『ベナンダンティ ー 16-17世紀における悪魔崇拝と農耕儀礼 』

前回のエントリの続きになるのだけど、C・ギンズブルグの『チーズとうじ虫』が面白くて、続けて読んだ著者の処女作『ベナンダンティ ー 16-17世紀における悪魔崇拝と農耕儀礼』のノートです。 ベナンダンティ―16ー17世紀における悪魔崇拝と農耕儀礼 作者: カ…

本当の「歴史」の話をしよう。/ C・ギンズブルグ『チーズとうじ 16世紀の一粉挽屋の世界像』

以前には、歴史家は「国王たちの事跡」しか知ろうとしないといって責められたものである。 この印象的な一文から始まるのは、イタリアの歴史家カルロ・ギンズブルグによる『チーズとうじ虫 ー 16世紀の一粉挽屋の世界像』である。 チーズとうじ虫―― 16世紀の…

サン=テグジュペリ『夜間飛行』/ 何かを捨てなければ前に進めない

「いつか読むだろう」と、ずっと放置されていたサン=テグジュペリの『夜間飛行』。恥ずかしながらようやく読めたので、今回はそれについて書いていきます。 ちなみに『夜間飛行』はいくつかの訳者・出版社から出ているけど、僕が今回読んだのは新潮社から出…

2019年上半期に読んで印象に残った本ベスト5

2019年もあっという間に半年が過ぎてしまいました。最近はなかなか本を読み進めることができていないのだけど、区切りが良いのでとりあえず上半期に読んで印象に残った本をまとめてみる。今年は小説だけでなく、エッセイをたくさん読み始めた年なので例年よ…

「何者」にもならなくていい、と最近思うようになったことについて

少し前の話だが、朝井リョウ原作の『何者』が話題になった。これは就活中の大学生が、就職という一つの選択を迫られるなかで自分とは何か、自分は何者になれるのだろうかという不安にあえぐ姿が描かれていると思う。 ただ、自分が何者なのか。もしくは果たし…

自分の世界を広げる方法

前回のエントリでセネカの「運命を無視すること」について少し触れたのだけど、それについて、もう少し書いておこうと思う。運命を無視するとあるが、逆に「運命を無視しない」状態とは一体どういう状態だろうか。僕はそれは端的に述べると周囲に流されるこ…