いけちゃんの悪戯

日々のことをツラツラと綴るブログ

【カンボジア/1】クメールとの邂逅を果たす

ここ数日の日記です。

仕事がひと段落し、ようやく長期休暇に突入しました。すなわち以前から公言していたカンボジア/ベトナム旅行の始まりということです。仕事が終わってすぐ空港へ。およそ2年ぶりの海外渡航です。

2019/04/05 .  フライト中に考える / 太宰治『葉桜と魔笛』

とはいえ、僕の住んでいるところから最初の目的地であるカンボジア・シェムリアップまでは飛行機で片道7時間くらいかかります。あと20日くらいの連休なので(ホントにありがたい)、移動時間やその他空いた時間のお供として文庫本をスーツケースに詰め込む。まずは行きの飛行機で読んでいた『太宰治全集2』についてのメモから。(海外に行くのにそのチョイスかよというツッコミは目を瞑ってください...)

この『太宰治全集2』であるが、のちに『人間失格』のプロトタイプになる『HUMAN LOST』や『富嶽百景』『女生徒』など太宰文学を代表する初期作品が収録されている。だから、初めて太宰治を読む人・改めて「太宰文学とは何か」を再考したい人に(勝手に)オススメするのだけど、太宰が結婚し、精神的にも安定している状態が作品から読みとれるため個人的に好きだ。『富嶽百景』の最後のほうで主人公が写真を撮るシーンとかね。イタズラ心というか、この時は精神的に余裕があったんだろうなって感じる。しかし、今回もっとも印象に残った短編は『HUMAN LOST』でも『富嶽百景』でも『女生徒』でもなく、『葉桜と魔笛』だ。この作品、太宰の短編の中でもさらにボリュームの少ない一作です。簡単にあらすじをまとめる。

あるところにふたりの姉妹がいる。妹は大病のため余命宣告を受けており、自宅で寝たきりの彼女を姉である「私」は看病している。ある日、「私」はM.T.なる男から妹宛にしたためられた手紙を見つけてしまう。だが、手紙を読んでいくとM.T.からもう手紙は来ないようである。「私」は余命わずかの妹の苦しみを見かねて、M.T.のフリをして手紙を用意する。そこには妹を励ますために「自作の詩を贈ること」「毎日夕方6時になったら、軍艦マーチの口笛を吹いて歩くこと」が書かれていた。姉が苦しむ妹のために演じた虚偽のふるまいである。しかし、そもそもM.T.なる男は存在していなかった。妹はそれらの手紙を自分で書き、自分に宛てていたのだ。

と、まあこんな感じの内容なのだが、ここで描かれている虚飾とか、それが予期せぬ相手・タイミングで「丸裸にされる」もしくは「見透かされる」ことによる精神的ダメージ(恥ずかしさ、あるいは恥辱と表現してもいいかもしれない)って太宰文学のなかで繰り返し繰り返し描かれているように思う。ちなみに幸か不幸か、この種の恥ずかしさを僕は理解できる予感がしている。きっと太宰はプライドが高い反面、メチャクチャに繊細な人だったんだろうな。これまでは太宰治と聞くと「キザで、自分に弱くて、だけど女にはモテて。だけど、自分の中の何かを抱えきれず自ら命を絶った文豪」というイメージを持っていて、その「何か」を無意識のうちに放置してきた気がする。いや、放置してきた。まだ、僕にはその「何か」をうまく言語化することはできないけれど、いつの日にか自分の言葉で世に送り出したいと強く思っている。太宰は何に耐えられなかったのだろうか。何を抱えていたのだろうか。

 

太宰治全集〈2〉 (ちくま文庫)

太宰治全集〈2〉 (ちくま文庫)

 

 

 2019/04/06. シェムリアップ、アンコール遺跡群を訪ねる。


カンボジア・シェムリアップに到着しました。シェムリアップと言えば、アンコールワット。アンコールワットと言えば、シェムリアップ。ちなみに東南アジアを訪れるのはこれが初めてではなくて、セブ島に3ヶ月ほど語学留学をしていたことがある。だから、空港に着いたときに感じた気温とか湿度とか匂いとかは、とにかく懐かしいの一言に尽きた。とっても浅い表現になってしまうが「東南アジアいいね!」という気持ちでいっぱいです。

アンコールワットまでトゥクトゥクで30分ほどの距離にあるゲストハウスを宿にする。宿お抱えのトゥクトゥクに揺られて、アンコールワット/アンコールトム/タ・プロームへ。ちなみにアンコールワットとは、クメール語で「寺院(によってつくられた)町」の意。クメール建築の最高傑作と呼ばれているらしく、緻密な壁画が遺跡中に彩られている。あと、とにかくデカイし、広い。実際に行った時は他の観光客やらトゥクトゥクドライバーで賑わっていた。その次に行ったアンコールトム・バイヨン寺院はヒンドゥー教と大乗仏教の融和の象徴として建造されていたそうです。が、現地のガイド曰く、建立途中に国王の方針で国教がヒンドゥー教一本に絞られたため、バイヨン寺院のうち仏教を象徴する部分は無残にも破壊されたとか。だから、アンコールトム内にはまだ瓦礫やらが残っている。ここもクメール美術の壁画やら彫像が美しい。

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✳︎1 バイヨン寺院内の1枚

2019/04/07. 天空寺院プレアヴィヒアへ。

シェムリアップから車で4時間ほどの距離にある世界遺産。それがプレアヴィヒア。ここもアンコール遺跡群と同じヒンドゥー教寺院なんだけど、タイとの国境すれすれに位置しており2008年に世界遺産登録された時は、タイとカンボジア両国間の利権争いでふつうに銃撃戦が行われていたらしい。今では正式にカンボジア王国領のものになっており、紛争状態は集結しているので安心して観光できた。平原に立つ山の頂きに建てられた寺院であり、絶崖から眺める景色が美しい。

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✳︎2 プレアヴィヒア寺院内回廊

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✳︎3 頂上絶崖からの眺め。地平線が霞んでいるが雲の影が美しい。

シェムリアップの次はプノンペンに移る予定ですが、それもまた待ち遠しい限りなのです。

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